ラインによるケアとしての取組み
メンタルヘルス対策の中で、管理監督者の役割は重要です。
ここでは、『ラインによるケア』を中心とした取組み内容をみてみましょう。
1.『いつもと違う』部下の把握と対応
ラインによるケアで大切なのは、
管理監督者が『いつもと違う』部下に早く気づくことです。
日頃から部下に関心を持って接しておき、いつもの行動様式や人間関係の持ち方について
知っておくことがひつようです。
例》
・遅刻、早退、欠勤が増える
・休みの連絡がない(無断欠勤がある)
・残業、休日出勤が不釣り合いに増える
・仕事の能率が悪くなる。思考力・判断力が低下する
・業務の結果がなかなかでてこない
・報告や相談、職場での会話がなくなる(あるいはその逆)
・表情に活気がなく、動作にも元気がない(あるいはその逆)
・不自然な言動が目立つ
・ミスや事故が目立つ
・服装が乱れたり、衣服が不潔であったりする
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2.部下からの相談への対応
職場の管理監督者は、日常的に部下からの自発的な相談に対応するよう努めなければなりません。
そのためには、部下が上司に相談しやすい環境や雰囲気を整えることが必要です。
・話を聴く(積極的傾聴)
・適切な情報を提供する
・必要に応じて事業場内産業保険スタッフ等や事業場外資源への相談や受診を促すなど
管理監督者が部下の話を積極的に聴くことは、職場環境の重要な要素である職場の人間関係
の把握や心の健康問題の早期発見・適切な対応という観点からも重要です。
3.メンタルヘルス不調の部下の職場復帰への支援
管理監督者が『復職した以上きちんと仕事してほしい』と考えることは、気持ちとしては
自然です。けれども、数箇月にわたって休業した人に、いきなり発病前と同じ質、
量の仕事を期待するのは無理であることも明らかです。
復職者は、『職場では自分はどう思われているのだろうか』『職場にうまく適応できるだろうか』
『病気がまた悪くなるのではないだろうか』など、様々な心配をしながら出社しています。
そうした復職者の気持ちを受け止めることが、管理監督者には望まれます。
『上司は自分を分かってくれている』と感じることができれば、復職者の職場での緊張は
大幅に軽減されます。そして、管理監督者と復職者のそのような関係は、同じ職場で働く
他の部下たちの緊張を和らげる効果を持っています。
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